恋のとりこ。
[庭球/幸村/悲恋]
※死ネタ注意!
ねえ、ほら聞こえているかい?
ほら、さ。
俺は狂ってるかもしれないけれど。
君の幸福が灰になり
風に溶け僕の呼吸になったその時
あるの部活の無い日。
姫と2人きりの教室。
言いたいことは今しか言えない。
俺は重たい口を開いた。
「ねえ、別れて」
いきなり口を開いた俺の言葉を姫はこれでもかと言うほど目を見開いて、見つめた。
「な、んで?」
「飽きた。」
「飽きた、って…そんな、理由に…っ」
「なるの。」
だって、ほら。
姫、束縛激しいし、俺だってプライバシーくらいはあると思わないか?
だからばいばい。もう、姫の声も聞きたくない顔も見たくない。
「…精市、大好きだったよ、」
そう告げて俺の前から姿を消した。
やっぱり、言うべきじゃ無かったのかもしれない。俺が我慢するべきだったのかもしれない。でも、もう、遅い。
俺の言いたい言葉は口から滑り出てしまったのだから。相手に伝わってしまったのだから。
自問自答したけれどやはり正しかったのだと決めて家路についた。
PiPiPiPiPi...
家に電話が掛かってきた。
夜の11時を越えた頃だった。
夜遅くに誰なんだ、と苛々しながら電話に一番近かった俺が出る。
「はい、幸村です」
幸村精市さんのお宅ですか?
神奈川警察の者ですが、
有宮姫さんが自殺なさったので、
親族にご連絡しようとしたのですが、
繋がらなかったので携帯電話で
着信で一番新しい貴方に連絡しました。
死亡、
着信で一番新しい
警察
親族と連絡がとれない
姫が、死んだ?姫が?
まさか。彼女が死ぬなんてあり得ない。だって、今日の帰りはまだ、生きて会話してたのに。
途中から警察の人の言葉も聞かずに家を飛び出した。
寒いはずの夜は生温くて身震いした。
姫の匂いが、する。
急に涙が出てきた。おかしいよ、俺がフって関係を終わらせたのに今更自分の本音に気付いた。
「好きだ、ったん、だな…」
君が死んだその日の夜。
俺は初めて
深くて暗くて重い空気を吸い込んだ。
(君の幸福が灰になり風に溶け僕の呼吸になったその時)
(漸く分かった)(君が好きだと)
Fin.
‐‐‐
お題提供さいと様
maria>>http://hp.xxxxxxx.jp/ilil/
悲恋と聞くと幸村思い付く私は重症かもしれませぬ…。
深夜配信すいませんでした!
結菜
モバイル表示

注目ワード
